なぜいまWell-beingが注目されているのでしょうか?
私たちにとって最もなじみのある統計のひとつとして、
経済の指標であるGDP(Gross Domestic Product/国内総生産)は誰もが
聞いたことのある指標だと思います。
GDPは経済的な豊かさを国や地域ごとに比較したり、
各国政府の政策実行の目的として大切な指標であることは間違いないのですが
生活の豊かさや幸福度を計測する場面においても度々使われるケースがあり、
人々の生活の質がどれくらい向上しているかといった
豊かさ(Well-being)を計測するには不十分だと考えられ始めました。
そこで2007年には、欧州委員会・欧州議会・ローマクラブ・OECD・WWFによる
「Beyond GDP」の国際会議が開催され、GDPはWell-beingや将来世代が利用できる
資源を残せているかという環境面の評価が十分にできないという点で、
GDPを超えた新たな指標が必要との認識が示され見直され人々の
Well-beingへの注目を集める契機となりました。
また2010年にイギリスが
Measuring National Well-beingプログラムで国内のWell-beingの状態を可視化したり、
2011年にOECDがスティグリッツ委員会の提言を受けて作った、
Better life Initiative(より良い暮らし指標)プロジェクトで
暮らしの11分野について計測・比較できるようにするなど、
様々な取り組みもスタートしました。
2012年には、国際連合の持続可能開発ソリューションネットワークによって、
World Happiness Report(世界幸福度報告)が発行され、
その後毎年150を超える国や地域で調査が行われるようになり
2015年には持続可能な開発目標(SDGs)の目標
:Good Health and Well-beingの中でWell-beingが組み込まれるなど、
一層注目度が増しています。また、従来の大きな属性ごとの括りから、
一人ひとりを尊重しフォーカスするよう社会の風潮が変化してきたことも
Well-beingが注目を集める背景のひとつとりました。
日本でも、2021年に日本政府が「成長戦略実行計画」において、
「国民がWell-beingを実感できる社会の実現」とWell-beingについて言及され、
「Well-beingに関する関係省庁連絡会議」の設置によって、
省庁間でのWell-beingに関する取り組みの推進に向けた情報共有・連携がはかられるなど、
加速度的に取り組みが進んでいます。
また、GDPだけではなく、満足度・生活の質に関する幅広い視点を可視化する目的で、
現在は内閣府によってWell-beingダッシュボード(満足度・生活の質を表す指標群)が公開されています。
このような歴史を歩みながら少しずつWell Being が考えられるようになり
日本でも注目されるようになりました。
なぜ?いまWell Beingなのか?というよりも 私たちが健康で豊かに社会的幸福を
感じられる世の中にする為に世界中で以前から進んでいた事だったんです。
次回は ラシェンテが目指すWell Beingについて 記事にしていきたいと思います。