
Paris fashion week(パリコレ)の期間中、パリの街全体がファッションショーとイベントで盛り上がり、
美容師やヘアサロン・美容室関係者にとっては最新トレンドを体感できる特別なシーズンです。
神戸という日本でもファッション都市と呼ばれる街で美容に携わるラシェンテとしても、
このパリファッションウィークでの経験は、大きな学びと刺激になりました。
Paris fashion weekの期間は、パリの至る所でファッションショーが行われています。
歴史ある会場から、感度の高いクリエイターが集まる小さなスペースまで、
街全体が「動くランウェイ」のような雰囲気に包まれます。
ファッションに関わるその他のイベントも盛りだくさんで、街中のカフェやブティック、ギャラリーでも、
コレクションに合わせたインスタレーションやポップアップが開催され、歩いているだけでインスピレーションの連続です。
そんな中、レッスンや打ち合わせの空き時間を上手く活用しながら、パリ市内を散策してきました。
エッフェル塔やルーブル美術館などのメジャーな観光スポットはしっかり押さえつつ、
昨年は時間が足りず行けなかった気になるショップやカフェにも足を運ぶことができました。
限られた滞在時間ではありましたが、「次はここに行きたい」とメモしていた場所を一つずつ回ることができ、短い時間ながらも大満足のパリ滞在となりました。

Paris fashion weekの醍醐味のひとつが、美容師専売所でのショッピングです。
一般のお客様はなかなか入ることができない、プロフェッショナル専用のショップには、
最新の美容商品やヘアケア商材、パリで人気のスタイリング剤やコスメ、さらには日本ではまだあまり知られていないブランドなどが所狭しと並びます。
「これはどんな質感になるのだろう」「この香りはどんなお客様に喜ばれそうか」と、
実際に手に取りながらイメージを膨らませる時間は、美容師にとって至福のひとときです。
美容師専売所は、ただモノを買う場所というだけでなく、業界人同士の交流の場でもあります。
世界中から集まった美容師やブランドの担当者が、商品の使い方やサロンワークでの活かし方、
各国のトレンド事情など、さまざまな情報を交換しています。
会話の端々から、国は違っても「お客様をきれいにしたい」という想いは同じなのだと実感し、
改めてこの仕事の素晴らしさを感じる場面も多くありました。

今回は2回目のParis fashion weekということもあり、
昨年よりも少し気持ちに余裕を持って過ごすことができました。
本場フランスで、人生初のエスカルゴをゆっくり堪能してみたり、
朝の散歩でセーヌ川沿いを歩きながら街が目覚めていく空気を感じてみたり、
去年はなかったお店や新しくオープンしたカフェに立ち寄ってみたりと、
仕事以外の時間も含めてパリという街をより深く味わうことができたように思います。
ファッションの都「パリ」。
石畳の路地、飾りすぎないのにどこか洗練された街行く人々のファッション、
小物づかいや色合わせのセンス、窓辺にさりげなく飾られたグリーンやお花…。
その一つひとつがインスピレーションの源であり、
「ヘアデザインももっと自由でいい」「似合わせの幅はまだまだ広げられる」と感じさせてくれる、かけがえのない体験でした。
そして実は、私たちがサロンワークを行っている神戸も、
日本で一番最初にファッション都市宣言を行った街として知られています。
海と山に囲まれたコンパクトな街でありながら、洗練されたショップやカフェ、異国情緒あふれる建物が立ち並び、
日常の中にさりげなく「おしゃれ」が息づいている場所です。
そんな神戸で美容に携われていること、
そしてパリのような世界的ファッション都市とつながる視点を持てることを、とても恵まれた環境だと感じています。
美容に携わる立場として、Paris fashion weekで感じたこと・学んだこと・心が動いた瞬間を、
自分たちだけの体験で終わらせるのではなく、しっかりと言葉とデザインに落とし込み、サロンに来てくださるお客様へと届けていきたいと思っています。
ヘアカラーの色味や質感の提案、フォルムやシルエットのバランス、スタイリングの仕上げ方、
さらにはライフスタイルに寄り添ったヘアデザインの考え方まで、パリで受け取ったエッセンスを、
ラシェンテらしく神戸の街に翻訳していくことが、私たちの役割です。
Paris fashion weekでのコレクションの仕事や現地での経験を、
ラシェンテの大切な伝統として積み重ねていけるように。
これからも継続してパリに足を運び、最新のトレンドだけでなく、
そこに流れる空気感や価値観までしっかり吸収し、
お客様一人ひとりの「今日」と「これから」に寄り添うヘアデザインとして形にしていきたいと思います。


